北海道スキーを楽しもう。パウダースノーを味わおう

北海道のスキーツアー
日本の、ではなく、アジアの、世界の一大スキー観光地に成長してきたのが北海道です。
日本でも知られるニセコがオーストラリアのスキーヤーに愛されてから20年。ヨーロッパ、そして中国、東南アジアからも大勢のスキー客が来るようになりました。

世界を引きつける北海道スキーの魅力について、当ブログでご紹介したいと思います。

オーストラリア人がスキーに訪れたおかげで「世界のスキー場」に

北海道に海外のスキー客が多く訪れはじめたことに、最初に日本人が気づいたのは2000年ごろだといわれます。北海道が毎年おこなっている観光客調査では、訪日外国人(実人員)が20万人台に乗ったのは2000年のこと。台湾、香港からの観光客が人数では目立つのですが、国別では2001年にオーストラリアから北海道に前年の43%増、4150人が来たのが目を引きます。

この頃は、道外から訪れた日本人の観光客数(実人員推計)は約600万人。海外客は割合からすれば1割以下、そのまた1割以下がオーストラリアからだったのですが、そのスキーヤーたちが、ニセコなどのスキー場を訪れて、サラサラで舞い上がるパウダースノーに驚き、その情報が瞬く間にオセアニア、ヨーロッパ、アメリカに広まったのです。

オーストラリア人にとっても北海道にとってもラッキーだったのは、日本が北半球にあり、オーストラリアが南半球にあったことでした。オーストラリアのスキーヤーたちは、オーストラリアやニュージーランドがオフシーズンになると北海道の冬を目指し、スキーと共にやって来る光景が見られるようになったのです。

イギリスのBBCが「北海道ニセコの天気」を

オーストラリア人が火をつけた北海道スキーに次に注目したのは、ヨーロッパのスキーヤーでした。アルプスや北欧でも地球温暖化の影響は深刻です。各国が飲み水の水源にしているアルプスの氷河は年々後退しています。

ヨーロッパのスキーリゾートは標高2000メートルを超えるところが多く、ゲレンデは岩肌がむき出しになり、雪不足でスキーの大会があちこちで中止になっています。2016年のことですが、イギリスの公共放送局、BBCが各国のスキー場を紹介する際「ニセコ、ジャパン。積雪は330センチ、雪質はパウダー」と告げ、お天気キャスターが思わず、喜びの声をあげたのは有名です。フランスのスキー雑誌が「パウダースノーの世界一は北海道」と絶賛した、というエピソードもあるほどです。

東京都、大阪府の40倍の面積があるのが北海道

北海道は、日本の国土のざっと5分の1を占める島です。東京都や大阪府の面積のざっと40倍あり、東西の長さは、東海道新幹線の東京——大阪間よりも長いのです。森林面積はもちろん日本一。住める地域「可住地面積」も東京都、大阪府の約15倍あるのです。森も市街地も、雪が降ればスキー場になると言っても大げさではありません。

札幌は、ニューヨーク、北京、ローマより緯度は高く

道都である札幌の緯度は北緯43度05分。2014年に冬季五輪のあったソチ(ロシア)と緯度はほぼ同じ。ニューヨークやローマ、シカゴ(北緯40〜42度)よりは少し北に、2022年の冬季五輪予定地の北京、2018年にあった韓国・平昌(北緯37〜39度)よりかなり北にありヨーロッパでいうとフランス中南部からスペイン北西部、北米では、シカゴ以北の都市になります。

北海道の交通の中心、新千歳空港からも3時間圏に入る北海道のスキー場は、シベリアからの寒気が、幾つもの山々を通ってくることでサラサラのパウダースノーにお化粧を遂げる点が最大の魅力なのです。北海道の有名スキー場といえば、ニセコの5つのスキーエリア、ルスツ、トマム、キロロ、そして札幌テイネです。

北海道を訪問する外国人も、長期滞在する外国人も増えています

2018年度、北海道を訪れた外国人(実人数)は、311万人に達しました。前年度比11.6%の増加です。一方で、道外からの日本人観光客は607万人(実人員推計)です。2000年と比べても日本人観光客は微減、一方で外国人は20年前に比べざっと10倍です。うち、中国と韓国が70万人台、台湾が60万人前後、それに次いでタイ、香港が20万人台で続いています。

すでに住んでいる人もいます。ニセコエリアの麓、倶知安町は外国人を含め8074世帯、15323人が住民登録をしていますが、うち487世帯630人が外国人(2018年)です。ニセコ町ではこの10年外国人居住者が3倍になり、18年度は395人です。これは外国人の長期滞在の場合は住民登録が必要だからで、北海道スキーのおかげで、長期滞在の外国人、働く外国人が人口減を食い止めているともいえます。

東南アジアの人が見たことのない「雪」が日本の最強コンテンツ

東南アジアから見れば、日本の北海道は夜間飛行してやっと着く北の国。彼らが人生史上ほとんど見たことのなかった「雪」こそ、日本にとって最強のコンテンツです。一方、2022年北京冬季五輪を前にすでに会場建設の始まっている中国は、スキーは今後、競技人口もレジャーとしてスキーを楽しむ人たちも増やす計画です。スキーを含めたウインタースポーツ人口を約3億人レベルまで引き上げる、といいます。

中国の現在のウインタースポーツ人口は200万人(推定)。この数は日本のスキー、スノーボード人口計580万人(レジャー白書2017年版)よりも少なく、それが今の150万倍、日本の人口の3倍の人口近くまで増やそうというのですから、その衝撃力が想像できます。

「海外富裕層向けのレジャー」への進化とともに楽しみましょう

日本の場合、スキー、スノボ人口は横ばいでしたが、この数年、復調傾向にあります。日本のスキーの中心地である北海道が海外の、富裕なスキー客用のスキー場に変わっていけば、その「恩恵」を受ける日本人も増えていくことでしょう。

ニセコは外国人、特にオーストラリアの人たちが投資するマンションなどが建ちつくした感もあり、次は中国人の投資かもしれません。一方、マンションなどを持たない外国人スキーヤーの場合は、多くは素泊まりして、スキー場の周辺でアフタースキーを楽しみます。そうなるとカフェや飲食店が発達します。北海道スキーの楽しみの一つです。