北海道スキーの新魅力、バックカントリースキーや歩くスキーを楽しもう

広大なゲレンデ

北海道スキーの楽しみは、広いゲレンデを縦横無尽に滑る魅力だけでなく、ゲレンデを外れたエリアを滑走するバックカントリースキーにもあります。森の中、スキーを飛ばすだけでなく、近年は「歩くスキー」もあります。バックカントリーはあくまで自己責任です。きちんとしたガイドをつけるなどした上で楽しみましょう。

ありのままの雪山を滑ることを、かつては山岳スキーとも呼びました

スキー場のリフト
バックカントリースキーのエリアは、ゲレンデの「自己責任エリア」となっている区域や、スキー場と離れた自然エリアをいいます。面積の広い北海道では、当然こうしたエリアも広大です。ゲレンデと違い、圧雪されていないので、当然、パウダースノーのエリアでもありますが、同時に、不規則な傾斜や、木や岩などの障害物も見え隠れしているので、それに対応できる滑走が要求されます。その意味では山岳スキー、冬山登山の要素もあることを忘れてはなりません。

バックカントリーは遭難、事故のリスクもあります

近年、山を走るトレイルランニングが盛んになってきたことと並行して冬のバックカントリーも、特に自然豊かな北海道スキーの一つとしてブームになりつつある感があります。しかし「雪山を滑る」ことは、知識と経験、きちんとした事前準備がないと最悪の場合、生命の危機に直面します。

リスクの一つは、スキーシーズンならでは、の天候急変による道迷いです。バックカントリーのスキーは自分自身でルートを決めていくため、ちょっとした道の間違いでも元に戻すために1時間近くかかるロストも少なくありません。雪崩のリスクも常に、と言っていいほどあります。スキーパトロールが来てくれるわけではないので、遭難のリスクもあります。雪山でのビバーク(緊急露営、野宿)もあり得ます。

こうしたリスクを回避するためには、必ず、パーティで行動すること、安全のための通信機器(無線やトランシーバー)、ツエルト(簡易テント)、ビーコン、プローブ(伸縮式の棒)など団体で持つ装備もバックカントリーでは必要です。

「歩くスキー」も人気上昇です

「歩くスキー」も人気が上がっています。ガイドが付き、ガイドの解説でより深く北海道の自然を知ることができます。大雪原、稜線、森林などを巡るのですが3時間程度の半日コースから温泉宿に泊まる宿泊プランまで、その内容はバックカントリースキーに比べれば「散策」「散歩」に近いものです。

北海道スキーのバックカントリーイベントを支える組織もあります

ベストスキーリゾートをスキーヤーの投票で選んでいる「ワールドスキーアワード」が2016年に「ベストヘリスキーオペレーター世界一」に選んだのが北海道バックカントリークラブです。ヘリコプターや、雪上車、スノーモービルなどを使ったバックカントリースキーを運営している会社です。

例えば、ヘリスキーであれば、ルスツスキーリゾートが麓にある尻別岳(標高1107メートル)を舞台に、有資格ガイドがつき、雪崩講習をした上で安全装備(ビーコン、プローブ、ショベル)を持ってホテルからの送迎、昼はピザなどを楽しめます。スノーモービルツアーなら、尻別岳の麓を滑るイントロツアーから上級まであります。ルスツだけでなく、ニセコグラン・ヒラフから送迎もしています。ひと昔前の日本では考えられないバックカントリースキーを安全に運営しようという組織がすでにできているのです。